1948-06-21 第2回国会 衆議院 予算委員会 第36号
それから今の波丘地帶三百万町歩の問題でありますが、日本のような山岳重疊の國で平坦の場所がないから耕地が少いということはわかつておる。政府みずから三百万町歩の土地を開発しなければならないと國民に言うた以上は、たとえその片鱗でもその方向に向つて政策をとらなければ、責任ある政治家のすべきことじやないではないか。
それから今の波丘地帶三百万町歩の問題でありますが、日本のような山岳重疊の國で平坦の場所がないから耕地が少いということはわかつておる。政府みずから三百万町歩の土地を開発しなければならないと國民に言うた以上は、たとえその片鱗でもその方向に向つて政策をとらなければ、責任ある政治家のすべきことじやないではないか。
それから三百万町歩の波丘地帶がわが國に存在しておるということは、農林省の統計をごらんくださればわかる。わが國は耕地としては非常に僅少であつて、約全面積の一八%ぐらいしか耕地になつておりません。残るところは山岳地帶あるいは原野地帶で八二%以上を占めておる。
一つは、波丘地帶三百町歩の開発の問題であります。御承知の通りに、わが國の食生活は澱粉に過重いたしておる。これに脂肪及び蛋白を多量に加えることの必要上、波丘地帯を開発して、これを有畜農業の利用に供し、あるいは、さしあたりわが國の生糸の需要にかんがみて、少くも二、三十万町歩の桑園を至急に開発しなければなりません。その他食糧増産のためには、波丘地勢を利用して食用果樹を植える必要に当面しておる。
三百万町歩の波丘地帶の問題に関しては、本会議において民主自由党の代表の方からも質問がありましたし、ただいま東君の御質問においても、根本に非常に誤解をおもちになつておる。私の施政演説においては、波丘地帶三百万町歩を開墾するということは一度も言つたことはありません。開墾ではない。
それゆえ、三百万町歩の波丘地帶を開発するということは、この波丘地帶を利用して有畜農業を営み、できるだけ速やかに澱粉偏重の食生活より脂肪・蛋白の食生活に移らなければならないという意味を述べたのであります。 なお、今後わが國の食糧状態が現状をもつて満足すべき状態でないことは、もちろん言うまでもありません。が、さいわいにして本年一〇〇%の供出ができた。
その中で施政の方針に関する演説について多少の誤解を與えたかと思いますから、その点を一言補足して申上げて置きたいと思いますのは、あの演説の中で、平野地帶と山岳地帶の中間にあるいわゆる波丘地帶、大まかに掴んで約三百万町歩を食糧増産に利用すべきであるということを申述べたのでありますが、それが必ずしもこの波丘地帶に開墾をするという考え方ではなかつたのであります。